発達障害とは?|岡山の精神科医療専門病院 歴史ある精神科専門病院として岡山の精神科医療に貢献いたします

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発達障害

発達障害

発達障害とは?

発達障害は、生まれつきの脳の特性で、「病気」とは異なります。脳の発達が通常と違っているために、特定のことには非常に優れた能力を発揮する一方で、ある分野は極端に苦手といったようなことが生じます。このような得意なことと苦手なこととの差、いわば凸凹は、大なり小なり誰にでもあるものです。ただ、発達障害があるとされる人は、凸凹の差が非常に大きく、そのために生活に支障をきたしているという状態なのです。幼児のうちから症状が現れ、通常の育児ではうまくいかないことがあります。成長するにつれ、自分自身のもつ不得手な部分に気づき、生きにくさを感じることがあるかもしれません。

ですが、発達障害はその特性を本人や家族・周囲の人がよく理解し、その人にあったやり方で日常的な暮らしや学校や職場での過ごし方を工夫することが出来れば、持っている本来の力がしっかり生かされるようになります。

分類

発達障害は行動や認知の特徴(「特性」)によって、様々な個別の障害に分類されます。主なものとしては、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)の3つがあります。 それぞれの障害は重複することもあり、人によっては複数の特性をあわせ持つ場合もあります。

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自閉症スペクトラム障害とは

2013年5月に精神医学の診断基準が改訂され、従来の「自閉症」「アスペルガー症候群」「広汎性発達障害」が「自閉症スぺクトラム障害」に含まれるようになりました。症状の強さに従って、いくつかの診断名に分類されますが、本質的には同じ1つの障害単位だと考えられています。

自閉症スペクトラム障害の人は、最近では約100人に1~2人存在すると報告されており、誰にとっても身近な疾患となっています。自閉症スぺクトラム障害は出生前、胎内での中枢神経系の発育に何らかの問題が生じたことが大きな原因だと考えられています。現段階でははっきりした病気発症のメカニズムはまだ分かっておらず、おおまかに遺伝負因、生物学的要因、免疫学的要因などが複雑に作用した結果ではないかと言われています。つまり生まれついての脳の特性であり、ご両親の接し方や幼少時の体験といったものには関係しないものです。

自閉症スペクトラム障害の症状

自閉症スぺクトラム障害の人には以下のような症状があります。

  • 相手の気持ちを理解することが苦手。友人ができにくく、笑顔も少ない傾向がある。
  • 言葉を発し始める時期が遅く、相手の言葉をオウム返しすることが多い。
  • 手の平をヒラヒラし続ける、積み木を同じように積み重ねるなどのこだわりをもった反復的動作が認められることもある。

自閉症スペクトラム障害の治療

長所と短所を生かした環境作りと、適切な教育を受けられる機会を整えることが重要です。コミュニケーション能力や適応力を伸ばすことが期待でき、持っている本来の能力を生かせるようになります。また自閉症自体を治す薬はありませんが、不眠や行動問題が著しい場合などには、必要に応じてお薬を服用することもあります。

早期診断と早期治療が大切です。ご自身やご家族、周囲の方について心当たりがおありでしたら、まずはお気軽に当院へご相談ください。

注意欠如・多動性障害(ADHD)とは

注意欠如・多動性障害は、不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(考えずに行動してしまう)の3つの症状がみられる発達障害のことです。年齢や発達に不釣り合いな行動が仕事や学業、日常のコミュニケーションに支障をきたすことがあります。

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人口調査によると、子どもの20人に1人、成人の40人に1人に注意欠如・多動性障害が生じることが示されています。以前は男性(男の子)に多いと言われていましたが、現在では注意欠如・多動性障害の男女比は同程度に近づいていると報告されています。近年では、子どもだけではなく大人になってから注意欠如・多動性障害と診断される人も多く、注目を浴びています。

注意欠如・多動性障害の原因として、脳の前頭葉と言われる部分の働きにかたよりがあり、脳の伝達物質であるドパミンやノルアドレナリンが通常より不足している可能性が考えられています。

注意欠如・多動性障害(ADHD)の症状

注意欠如・多動性障害の人には、以下のような症状があります。

①不注意

  • 注意力や集中力を保つことができず、会議や授業でじっと話を聞くことができない
  • すぐに注意がそれる
  • 忘れ物が多い

②衝動性

  • 思ったことをすぐに話す、行動する
  • 外界からの刺激に対して、無条件に反射的に反応する

③多動性

  • 落ち着きがなくそわそわする
  • 手や足を常に動かしている
  • 整理整頓が苦手 など

多動症状は、一般的には成長とともに軽くなる場合が多いですが、不注意や衝動性の症状は半数が青年期まで、さらにその半数は成人期まで続くと報告されています。また、思春期以降になってうつ症状や不安症状を合併する人もいます。

注意欠如・多動性障害(ADHD)の治療

注意欠如・多動性障害の人は毎日の様々な場面で困難を感じています。それが積み重なると、精神的につらくなってしまい、うつ病など他の精神疾患を併発するなど、二次的な問題につながりかねません。そのため、早いうちからの医療的介入や適切なサポートが必要です。

注意欠如・多動性障害を根本的に治療することはできません。しかし、注意欠如・多動性障害による困難の乗り越え方を学ぶ教育・療育や、注意欠如・多動性障害の症状を緩和する治療薬は存在します。

まずは家族や職場で特性について理解しサポートしてくださる方を得ること、また自身の特性を理解し対処方法を身につけていくことが重要です。

学習障害(LD)とは

学習障害とは、知的能力には問題がないのに、読む、書く、計算する等の特定の事柄だけが特に苦手な状態のことをいいます。学習障害の人は人口の約2~10%と見積もられています。また小学生の約5%がこの障害ともいわれており、私たちにとって非常に身近な障害です。

学習障害の人は学業成績や日常生活に困難が生じ、こうした能力を要求される小学校2~4年生頃に成績不振などから明らかになります。その結果として、学業に意欲を失い、自信をなくしてしまうことがあります。

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学習障害(LD)の治療

患者さん1人1人に合わせた教育的支援を行います。例えば読むことが困難な場合は大きな文字で書かれた文章を指でなぞりながら読んだり、書くことが困難な場合は大きなマス目のノートを使ったり、計算が困難な場合は絵を使って視覚化するなどのそれぞれに応じた工夫が必要です。

また家族や学校、主治医等が本人の困難さを正しく理解し、決して子供の怠慢さのせいにしないで、適切な支援の方法について情報を共有することが重要です。

まずは、お気軽にお問い合わせ下さい

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