大学生の頃、就職活動がうまくいかず、「自分の伝えたいことが上手く伝えられない」と感じていた。なんとか就職できたが、業務の報告・連絡・相談が上手くできず“分かりにくい”、“もっと早く言ってほしい”と上司から指摘されることが多かった。なぜ上手くいかないのかと悩み、色々調べているうちに、自身が発達障害ではないかと考え、病院を受診した。病院にて検査を受けて自閉スペクトラム症(ASD)と診断され、病院の発達障害支援プログラムを受けることとなった。
発達障害支援プログラム
発達障害の特性によりお困りの方に対して、支援プログラムをおこなっております。


当院のプログラムを受けることにより「発達障害の特性」と「自身の行動や考え方のクセ」を知り、「自分に合った対処法」と「苦手を克服するためのスキル」を身に着けることができます。
みなさんの「困った」を少しでも 解消できるようサポートいたします。 ぜひ当院へご相談ください。

当院の発達障害支援
プログラムの特徴

あなたに合った
オーダーメイドプログラム

発達障害の特性は共通する部分もありますが、その程度や特徴は人それぞれ違います。そのため、当院では、検査や面談を通し、あなたのお困りごとやご希望を丁寧にきかせていただきます。その情報をもとに、あなたに合わせたプログラムをご提案させていただきます。

自分に合わせた
選べるペース

「学校の長期休みの期間だけ受けてみたい」
「仕事の都合で月1回のペースで受けたい」
「毎週受けたい」
などのご要望にお応えできるよう、プログラムを受ける頻度や期間もご自身で選べます。1回のプログラムの時間の目安は30~40分程度です。ご要望やプログラムの内容によってはお応えできないことがあります。

担当職員があなたの
取り組みをサポート

お困りごとの状況を担当職員があなたと共に整理し、課題を見つけ出します。その課題への対処方法を一緒に考えます。
一度考えるだけでなく、見つけ出した方法を試して、お困りごとが解決したかを振り返ります。これを何度もを繰り返し行い、一人ひとりに合わせた対処方法を探しだします。
理想の自分に近づくためのお手伝いを私たちがします。
支援プログラム一覧
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「忘れっぽい」
でお困りの方- 指示を忘れる、間違える
- 約束や連絡を忘れる
- 情報が多いと記憶が抜け落ちる
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「集中できない!」
でお困りの方- 気が散りやすい
- 一つのことに集中し過ぎて、他の課題が進まない
- 今やるべきことと関係がないことに気を取られやすい
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「スケジュール管理ができない」
でお困りの方- 急な予定変更がはいると混乱してしまう
- 課題にとりかかるが、最後までやり通せない
- 先延ばしにしてしまう
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「人付き合いが苦手!」
でお困りの方- 上手く相談ができない
- なぜか相手を怒らせてしまう
- 喋りすぎる、的外れな言動をしてしまう
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「感情コントロールが苦手!」
でお困りの方- マイナス思考に陥りやすい
- 落ち込んだり、イライラしたりする
- 嫌な思考を頭の中で何度も考えてしまう
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「音や光などの刺激に対して敏感
または鈍感」でお困りの方- 蛍光灯の光や動く人が気になる
- ざわざわした場所や突然の大きい音が苦手
- 疲労感、空腹感などが分かりにくい
支援事例
このような方が利用されています

自閉スペクトラム症(ASD)と診断された
20代男性のAさん

心理士
T.N
● 困りごとの整理の結果
頭の中で情報を整理する事の苦手さや、正確に報告したいというこだわりから話が長くなり、要点が伝わらず分かりにくい説明になっていました。また怒られた状況を思い出して緊張が高まり、すぐに上司に声をかけにくく相談や報告を先送りしてしまう面がありました。
実施したプログラム
コミュニケーションスキルアップ
テンプレートを使って、情報を文字で整理してから相手に伝える練習をしました。
感情コントロールスキルアップ
不安や緊張が高まった時の気持ちを落ち着かせる方法をご本人と相談し練習しました。
また、行動を先延ばしすることのメリット、デメリットを考えてメリットがあるかどうかを動く基準として考えるように練習しました。「上手く伝えられず怒られるかもしれないが、先送りしたほうが周囲に迷惑をかけ、信用を無くすことに繋がるから、いま報告しよう」など新しい考え方を身につけていく練習もしました。

● プログラムを受けたご本人の感想
プログラムを受けたことで以前よりも要点を整理して伝えることが出来るようになり、上司から注意されることが減りました。少し自信がついてきたことで、「落ち着いて伝えれば大丈夫」「頭が真っ白になってもメモを見ればよい」など、考え方の幅も広がり、より行動に移しやすくなりました。それでも緊張はしてしまうので一旦深呼吸をして気持ちを落ち着かせるようにしています。

注意欠陥多動症 (ADHD)と診断された
10代女性のBさん
大学に進学し、一人暮らしを始める。授業やアルバイトの遅刻、課題を提出できないことなどが頻繁に起こるようになり、単位を落とし留年。「みんな当たり前にできているのに…」「自分はダメだ…」と自分を責めるようになり、気分の落ち込みが続いた。周囲に勧められ病院受診したところ、発達障害を指摘される。発達検査を受けADHD(注意欠陥多動症)と診断され、発達障害支援プログラムを受けることとなる。

作業療法士
M.H
● 困りごとの整理の結果
時間の見積もりの甘さや、注意が散漫になりやすい特性が、身支度や課題の進行の遅れに繋がっていました。真面目な性格から自分を責める考えや将来への悲観的な考えが強まり、このまま大学を辞めることになるのではと考えて不安になっていました。
実施したプログラム
感情コントロールスキルアップ
つらい気持ちとの付き合い方を学びました。また自分の思考のクセに気づき、柔軟なものごとの受け止め方が出来るよう練習しました。
時間管理スキルアップ
自分の行動記録をつけて、何にどのくらい時間を使っているのかを把握しました。それから生活の基本的なスケジュールを決める、余計な刺激に惑わされない工夫など対処法を検討し生活に取り入れました。

● プログラムを受けたご本人の感想
プログラムで身に着けた感情コントロールの方法を実践していくことで、少しずつ気持ちを落ち着けることができるようになりました。今でもときどき不安を感じることがありますが、今できることを一つずつやっていこうという気持ちを持てるようになりました。私の場合は不注意や衝動性が強く、気になることがあるとそちらに気を取られてしまい、本来すべきことができなくなっていました。プログラムの一環として、自分の行動を記録したところ、想像以上にスマホに没頭している時間が長いと分かりました。その対策として、ついついスマホに没頭したとしても決められた予定が始まる15分前には必ずスマホからアラームが鳴るよう設定しました。それにより、本来のやるべきことに気持ちを切り替えられるようになり、遅刻などが減りました。
ご利用の流れ


診察
STEP 1

診察




検査
年齢や本人の状態・要望に合った検査を行います。
STEP 2

検査
年齢や本人の状態・要望に合った検査を行います。




お困りごとの整理と提案
お困りごとやご希望を丁寧にお聞きします。その情報をもとに、あなたに合わせたプログラムをご提案させていただきます。




プログラム作成と実施
整理した情報をもとに作成したプログラムがご本人の希望に合うか確認したうえで、プログラムを実施します。





※医師の指示のもとに行われる治療プログラムです。プログラムご希望の方は、当院の主治医にご相談ください。
※かかりつけ医(他院)の診療を続けながらでも、当院の発達障害支援プログラムをご利用いただけます。
利用を希望されている旨の紹介状をかかりつけ医に記載いただき、当院の受診予約をお願いいたします。